[寅] 株式会社 石寅

耐震構造墓石

先祖の安住の場所をも揺るがす地震

1995(平成7)年1月17日、あの忌まわしい「阪神大震災」は京阪神の人々に甚大な被害をもたらし、今もその傷は完全に癒えていません。

この震災では都市のライフラインの弱さを露呈し、また震度階級の見直しを要するほどに地震大国日本の社会を揺るがしました。そして、日常生活に直接影響がないとはいえ、先祖の安住の場所であるお墓にも、大きな被害を与えました。

当社では以前より、長野県松代群発地震を経験した従業員の提案により、耐震構造の墓石を考案開発し、製造販売してきました。

耐震構造墓石

清水建設株式会社技術研究所にて(S59.3)

中央が耐震構造墓石。他は一般の墓石。

この耐震構造墓石の耐震力については昭和59年3月、地震再現振動装置を持つ清水建設株式会社の技術研究所において耐震実験を行い、実証済みです。

この実験データから、理論上は地盤変化を除いて、地震で倒れる可能性は極めて低いことが証明されました。

実験報告書には次のようにあります。

「地震力の作用は大きく分けて[水平動]と[上下動]があり、実際には水平動・上下動は同時に生じますので複雑な動きとなるでしょうが、いずれにしろ水平力あるいは突き上げ力により、台座と棹石の縁が切れるかどうかが鍵となります。従って耐震性を確保する手段としては、台座と棹石の結合を強固にすることが最も望ましいといえましょう。結合を強固にする方法はいろいろ考えられますが、この耐震構造墓石の方法は大変結構ではないかと思います。

それでは新方式の墓石(棹石)がどの程度の地震動に耐えるかを検討してみましょう・・・」

転倒に対して

「最も弱いところは棹石と上台石のほぞ部である。転倒に際しての折損強度とそれに対応する水平力、加速度との関係から、材質を花崗岩と仮定すれば、ほぞの折損時の加速度はおよそ2300gal となります ( 従来の墓石の場合、棹石が揺れて転倒するときの加速度はおよそ400gal )。旧震度階の震度7で400gal 以上、墓石・石燈籠が倒れるとされる震度5で80~250gal ですから、この耐震構造墓石の耐震性は充分といえます。

抜け出しについて

「ほぞの高さは2500~4000gal 程度の加速度に対して抜け出さないように充分に確保されており、水平力以上に耐震性に優れていることから、ほぞの折損以前にほぞが抜け出す可能性は極めて低いと考えられます。

以上のことから、所見をまとめますと『ほぞを設けたことにより、従来の墓石に比べ極めて耐震性の高い構造となっており、地震による倒壊のおそれはまず考えられない』となります。」

このように、今まで全く地震に無防備だったお墓でしたが、画期的な構造を採用した耐震構造墓石は、地震大国日本ならではの先祖への思いやりです。

もし、建墓・改葬等をお考えならば、ぜひ耐震構造墓石を御一考されてはいかがでしょうか。

[image:耐震構造墓石断面写真]

耐震構造墓石断面写真

[image:ホゾ部分拡大写真]

ホゾ部分拡大写真

最後に

最後に、当社が耐震構造墓石を開発する端緒となった従業員のコメントを紹介いたします。

私は長野県長野市松代の出身です。 私が田舎にいた頃経験したのが松代群発地震です。 約2年間の地震体験のうち、ひどいときには一晩に震度5を3回も経験したりしました。 その後も長野県西部地震などとして報道されるたびに、大きな被害の発生に心を痛め、当時の恐怖感がよみがえってまいりました。

田舎においても、センセーショナルに取り上げられる被害以外に、必ず、墓地の被害がありました。 安眠の地として定めたにもかかわらず、突然暴かれる事態を、無残に思っていました。 ところが京都に暮らしはじめて思ったことは、「京都市内には、沢山の重要文化財や各本山があり、お墓も数多くある」ということです。「もしも大きな地震が来たときは大丈夫かな」と思い耐震構造を考案しました。

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資料

気象庁震度階級関連解説表(平成8年2月)
震度階級 人間 屋内の状況 屋外の状況 木造建物 鉄筋
コンクリート
造建物
ライフライン 地盤
斜面
人は揺れを感じない。                     
屋内にいる人の一部が、わずかな揺れを感じる。
屋内にいる人の多くが、揺れを感じる。眠っている人の一部が、目を覚ます。 電灯などのつり下げ物が、わずかに揺れる。
屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる。恐怖感を覚える人もいる。 棚にある食器類が、音を立てることがある。 電線が少し揺れる。
かなりの恐怖感があり、一部の人は、身の安全を図ろうとする。眠っている人のほとんどが、目を覚ます。 つり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類は音を立てる。座りの悪い置物が、倒れることがある。 線が大きく揺れる。歩いている人も揺れを感じる。自動車を運転していて、揺れに気付く人がいる。
5弱 多くの人が、身の安全を図ろうとする。一部の人は、行動に支障を感じる。 つり下げ物は激しく揺れ、棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。座りの悪い置物の多くが倒れ、家具が移動することがある。 窓ガラスが割れて落ちることがある。電柱が揺れるのがわかる。補強されていないブロック塀が崩れることがある。道路に被害が生じることがある。 耐震性の低い住宅では、壁や柱が破損するものがる。 耐震性の低い建物では、壁などに亀裂が生じるものがある。 安全装置が作動し、ガスが遮断される家庭がある。まれに水道管の被害が発生し、断水することがある。
[停電する家庭もある。]
軟弱な地盤で、亀裂が生じることがある。山地で落石、小さな崩壊が生じることがある。
5強 非常な恐怖を感じる。多くの人が、行動に支障を感じる。 棚にある食器類、書棚の本の多くが落ちる。テレビが台から落ちることがある。タンスなど重い家具が倒れることがある。変形によりドアが開かなくなることがある。一部の戸が外れる。 補強されていないブロック塀の多くが崩れる。据え付けが不十分な自動販売機が倒れることがある。多くの墓石が倒れる。自動車の運転が困難となり、停止する車が多い。 耐震性の低い住宅では、壁や柱がかなり破損したり、傾くものがある。 耐震性の低い建物では、壁、梁(はり)、柱などに大きな亀裂が生じるものがある。耐震性の高い建物でも、壁などに亀裂が生じるものがある。 家庭などにガスを供給するための導管、主要な水道管に被害が発生することがある。
[一部の地域でガス、水道の供給が停止することがある。]
6弱 立っていることが困難になる。 固定していない重い家具の多くが移動、転倒する。 開かなくなるドアが多い。 かなりの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。 耐震性の低い住宅では、倒壊するものがある。耐震性の高い住宅でも、壁や柱が破損するものがある。 耐震性の低い建物では、壁や柱が破壊するものがある。耐震性の高い建物でも壁、梁(はり)、柱などに大きな亀裂が生じるものがある。 家庭などにガスを供給するための導管、主要な水道管に被害が発生する。
[一部の地域でガス、水道の供給が停止し、停電することもある。]
地割れや山崩れなどが発生することがある。
6強 立っていることができず、はわないと動くことができない。 固定していない重い家具のほとんどが移動、転倒する。戸が外れて飛ぶことがある。 多くの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。補強されていないブロック塀のほとんどが崩れる。 耐震性の低い住宅では、倒壊するものが多い。耐震性の高い住宅でも、壁や柱がかなり破損するものがある。 耐震性の低い建物では、倒壊するものがある。耐震性の高い建物でも、壁、柱が破壊するものがかなりある。 ガスを地域に送るための導管、水道の配水施設に被害が発生することがある。
[一部の地域で停電する。広い地域でガス、水道の供給が停止することがある。]
揺れにほんろうされ、自分の意志で行動できない。 ほとんどの家具が大きく移動し、飛ぶものもある。 ほとんどの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。補強されているブロック塀も破損するものがある。 耐震性の高い住宅でも、傾いたり、大きく破壊すものがある。 耐震性の高い建物でも、傾いたり、大きく破壊すものがある。 [広い地域で電気、ガス、水道の供給が停止する。] 大きな地割れ、地すべりや山崩れが発生し、地形が変わることもある。

*ライフラインの[ ]内の事項は、電気、ガス、水道の供給状況を参考として記載したものである。

(参考:気象庁震度階級関連解説表(平成8年2月))

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旧気象庁震度階  (気象庁震度階級(1949)と参考事項(1978))
気象庁震度階級 参考事項
階級 説明
無感。人体に感じないで地震計に記録される程度。 吊り下げ物のわずかにゆれるのが目視されたり、カタカタと音が聞こえても、体にゆれを感じなければ無感である。
微震。静止している人や特に地震に注意深い人だけに感ずる程度の地震。  (0.8~2.5gal ) 静かにしている場合にゆれをわずかに感じ、その時間も長くない。立っていては感じない場合が多い。
軽震。大ぜいの人に感ずる程度のもので、戸障子がわずかに動くのがわかる程度の地震。  (2.5~8.0gal ) 吊り下げ物の動くのがわかり、立っていてもゆれをわずかに感じるが、動いている場合にはほとんど感じない。眠っていても目をさますことがある。
弱震。家屋がゆれ、戸障子がガタガタと鳴動し、電灯のような吊り下げ物は相当ゆれ、器内の水面の動くのがわかる程度の地震。  (8.0~25gal ) ちょっと驚くほどに感じ、眠っている人も目をさますが、戸外に飛び出すまでもないし、恐怖感はない。戸外にいる人もかなりの人に感じるが、歩いている場合感じない人もいる。
中震。家屋の動揺が激しく、すわりの悪い花びんなどは倒れ、器内の水はあふれ出る。また、歩いている人にも感じられ、多くの人々は戸外に飛び出す程度の地震。  (25~80gal ) 眠っている人は飛び起き、恐怖感を覚える。電柱・立木などのゆれるのがわかる。一般の家屋の瓦がずれるのがあっても、まだ被害らしいものはでない。軽い目まいを覚える。
強震。壁に割れ目が入り、墓石・石どうろうが倒れたり、煙突・石垣などが破損する程度の地震。  (80~250gal ) 立っていることはかなりむずかしい。一般家屋に軽微な被害が出はじめる。軟弱な地盤では割れたりくずれたりする。すわりの悪い家具は倒れる。
烈震。家屋の倒壊は30%以下で、山くずれが起き、地割れを生じ、多くの人人が立っていることができない程度の地震。  (250~400gal ) 歩行はむずかしく、はわないと動けない。
激震。家屋の倒壊が30%以上に及び、山くずれ、地割れ、断層などを生じる。  (400gal 以上)

(参考:(気象庁震度階級(1949)と参考事項(1978))

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